男性更年期障害等の治療薬であるテストステロン製剤の出荷制限のため、
2024年9月26日以降の新規治療希望の方の受付を中止しております。
男性更年期障害(LOH症候群)について
女性の更年期障害はよく知られていますが、男性の場合も加齢によって男性ホルモンであるテストステロンの分泌が低下し、様々な症状を起こします。こうした男性の更年期障害はLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)と呼ばれています。
女性の更年期は閉経を中心にした10年間を更年期と呼びますが、男性にはこうしたはっきりとした区切りがなく、40代後半から80代までの方に症状がみられ、発症が多いのは50~60代です。最近はメディアで取り上げられることが多く、早期に受診して適切な治療につながり、快適な生活を取り戻す方が増えてきています。
放置しているとつらい症状が続いてQOL(生活の質)を大幅に低下させることがあり、さらにさまざまな疾患リスクが上がってしまうため、40歳以上で不調が続くなど症状に心当たりがある場合にはお気軽にご相談ください。
原因
男性ホルモンであるテストステロンは、10代前半に分泌が急激に増加しはじめて20歳前後でピークを迎えて、その後は徐々に低下していきます。低下するペースは一定ではなく、個人差があります。この低下に急激な変化があるとバランスを崩し、心身にさまざまな不調を起こします。
高血圧・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)といった生活習慣病やメタボリックシンドローム、動脈硬化などの発症や進行リスクが高くなることもわかっています。それによって、心筋梗塞や脳卒中のリスクも上昇してしまいます。
症状について
テストステロンは男性の心身に大きな影響を与え、分泌の急激な低下は幅広い症状や不調を起こします。男性更年期障害の症状は、身体症状と精神症状の2種類に大きく分けられます。
身体症状
- のぼせ・多汗
- 全身倦怠感
- 筋肉痛・関節痛
- 筋力低下
- 骨密度低下
- 頭痛・めまい・耳鳴り
- 勃起障害(ED)などの男性機能低下 など
精神症状
- 不眠など睡眠障害
- 無気力
- イライラ
- 性欲減退
- 集中力や記憶力の低下
- 抑うつ など
40歳以上でこうした症状がある場合には、男性更年期障害の可能性があります。テストステロン値は血液検査で調べることができますので、お気軽にご相談ください。
検査と診断
問診で症状、既往症の有無やその内容、服用している薬についてうかがいます。男性更年期障害の診断基準として世界的に使われているAMSスコアのチェックリストの質問にお答えいただき、血液を採取してテストストロン値を調べて診断します。
テストステロン値は一日の中でもその数値が変動することがわかっており、男性更年期障害の診断のためには午前中に採血を行うことが、正しい結果を得るためには重要です。男性更年期障害の診断をご希望の方は、午前11時までに受診され採血をさせていただくことをお勧めいたします。
治療方法
問診やチェックリストの結果、テストストロン値などを元に、患者さんと相談しながら症状や年齢、ライフスタイルなどに合わせた治療方針を決めていきます。
テストステロン補充療法や漢方薬を使った治療が主に行われています。テストステロンの補充は外用剤と注射があり、ライフスタイルなどに合わせて選択できます。また、生活習慣の見直しも不可欠です。
特につらい症状や日常生活に支障を及ぼす症状がある場合には、その症状を解消する薬物療法を行います。