前回のブログでは, 主に夜間頻尿の原因について述べさせていただきました.
今回は診断および治療に関して少しお話させていただきます.
夜間頻尿を改善するためには夜間頻尿の原因を明らかにして適切に診断することが必要です
夜間の排尿の際に, 毎回十分な尿量を排尿する場合(目安としてコップ1杯以上), さらに昼間は
回数,尿量ともに少ない方は多尿もしくは夜間多尿による夜間頻尿が考えられます.
十分な尿量を排尿しない場合(目安として100ml以下)は膀胱容量の減少による
夜間頻尿と考えられます.
また, 夜間頻尿以外の尿の悩み(尿漏れ,尿の勢いが弱い, 残尿感など)がある人も
膀胱容量の減少が考えられます
煩わしいですが, ご自身で1日のおおよその尿量,尿の回数を記録することで
昼間の排尿の様子も分かり
このような診断にとても役に立ちます.
治療にうつります
1)多尿・夜間多尿
内科的な疾患が隠れている場合があります
糖尿病, 高血圧, 心疾患, 腎機能障害, 睡眠時無呼吸症候群などの病気が原因となっている夜間
多尿の場合はその治療が重要です.
また, 水分の摂りすぎで頻尿になっている方は, 水分を控えることが必要です.
水分を摂り過ぎないように適切な飲水量と飲水時間を指導します.
また最近では, 夜間の尿量を抑える薬(デスモプレシン)が発売され積極的に使用している方もおられます
2)膀胱容量の減少
前立腺肥大症や過活動膀胱の治療を行います.
問診, 尿検査, 超音波検査, 尿流量測定検査, 残尿検査を組み合わせて診断します
治療は薬物療法が基本です.
近年はさまざまな薬が発売されており症状や状態に合わせて処方させていただいております.
3)睡眠障害
睡眠障害による夜間頻尿には, 睡眠薬の内服も有効ですが, よく眠れるような環境の整備や生活
リズムの改善も重要です.
夜間頻尿は生活の質にかかわるものであきらめる前に一度医療機関への受診をおすすめします
よろしくお願いいたします
都筑はやし泌尿器科クリニック
林圭一郎